一葉が見守る境内で寸劇を楽しむ。
台東区・千束稲荷神社は、境内に樋口一葉の胸像を置く、一葉ゆかりの神社です。この神社のお祭りが登場する「たけくらべ」を、最近、読み返しましたが、土地の風俗、人々の心理や会話の筆致は鮮やか。比較的現代に近い、明治という時代のこの土地というのも興味深いです。たとえば、お酉様(鷲神社・酉の市)のために、家々で熊手を作っている様子などが描かれています。
お祭りそのものは、地域の人々に守られた、地域の人々のためのもの。多分、一葉の時代の方が活気があった(地域での祭の役割が大きかった)と思われます。特設の舞台で演じられる神楽(寸劇)は、子供にも分かり易く、楽しいものです。