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海外より遠いかもしれない。松江路。

本サイトを立ち上げることにより、別のサイトを閉鎖することにしました。この記事は別のサイトに記録しておいた、祖母危篤の時の日記です。祖母は翌年、同じ季節に永眠しました。

2011.07.03


松江城の猫。この年も、翌年、祖母が他界した時にもおりました。

祖母危篤。

新幹線に乗り込む母方の祖母危篤の知らせを聞いて、咄嗟に新幹線に乗り込んだのは6月25日の午前11時。
実は、前日の深夜に連絡があり、もっと早く出られたのですが、滅多にないほどの深酒により寝過ごしてしまった次第。
名古屋あたり寝過ごして、「しまった」と思う人間の行動は間抜けなもの。
いつもの散歩の重たいカバン(約10kg ほとんどカメラ機材)を背負って、出立したのでした。
万一の場合もよぎったのですが、準備するのも験が悪い。いざとなったら現地調達でいいや。

松江路。

山陽本線の車窓から母方の実家は島根県松江市。私は5歳くらいまでその地で過ごした筈なのですが、方言などまったく覚えていない有様。今回の出立に当って、心をよぎったのは「遠くへ行くのだな」という感慨。「帰る」と思うには余りに歳月が流れ過ぎていたようです。

ただ、何故か切迫した気分は沸かず、旅気分。仕事以外では、滅多に都内から出ないものですから、目に付くものをカメラでパチリ・パチリ。新幹線も久しぶりだなぁ。東京から松江までの旅程は、新幹線で岡山まで3時間半。岡山から松江まで山陽本線の特急で2時間半。都合6時間の長旅です。
飛行機という選択肢もあるのですが、空ばかりの風景より、車窓からの風景のが好きなんで。って何のんびりしとるんよ。

松江市の街並夕方5時前に現地到着。長い時間禁煙してたので、まずは一服できる場所を探す。
祖父の葬儀以来の10年ぶりの松江です。タクシーに乗り込んで気付いたのは、水路に沿って街並みが非常にキレイに整備されていることです。「キレイな街並みですねぇ」と思わず運転手さんに語りかけてしまいました。

 

容態。

祖母は、随分前から心臓にペースメーカーを入れております。ペースメーカーを入れても、本当はそうは持たない心臓の難病らしいのです。
病院の重篤患者専用の病棟に行きまして、10年ぶりに祖母と対面しました。
心電計とか点滴とか、色んなパイプ類を身体に付けております。しかーし、子や孫らに囲まれて、見た目にはピンピンしております。みんなが語りかける日常会話にジョークで返す始末です。
私が誰なのかもすぐに分かり、「子供の頃と顔が変わった」としきりに言います。手を握ったらびっくりするくらい力強く握り返されてしまいました。
倒れるまでの経緯もよく覚えております。医者に言わせれば、何故持っているのか不思議なそうなのですが。夕食が運ばれて来ました。スプーンや箸を上手く使いながら「固い」だの「うまい」だの。食事に対する意欲も旺盛で、朝も昼もよく食べたとのこと。
こんな頭も意識もしっかりしている人が、心臓という臓器の一部の衰退だけで命が危ぶまれるのは不条理なことだなぁとすら思いました。
気になったのは見舞い客の会話に耳を澄ませ、一生懸命喋った後、疲れた様子を見せることでした。

松江城。

駅前の、朝夕食付で格安のホテルに一泊しましたが、何とLANが繋がっておりません。ええ、ロビーに問い合わせましたよ。b-mobileを常時携帯しているので、困ることは無かったですが。

松江城さて、いつ帰るかは、迷いました。いつか母方の出生地であり、幼少時に過ごした地にに逗留するということを常々考えていたのですが、ついつい先延ばしにしてきてしまったのでした。祖母の顔は見ることができ、言葉も交わすことができた。これは本当に良いことでした。ついでだから、もう少し逗留しようか。しかし、動かせない諸般の事情もある。ということで翌日の深夜バスを予約してしまいました。
翌日、祖母のお見舞いは午後からにしようと、妹と連れ立って松江城を散策。実は、初めての松江城なのです。生誕の地なのになぁ。出雲大社にも詣でたことはなく、いつか行きたいと思っている次第です。

その日の午前はアホらしいくらいの晴天で、日差しが強く、二日酔いの三日目の私と、あんまり強靭ではない妹はへこたれてばかり。体調が良ければ、素晴らしい眺めを堪能できただろうに。せめて蕎麦でも食べようと店探し。大いに迷って、大いに汗をかき、一色庵なる蕎麦屋を探し当てました。当地の名物は割子蕎麦。何種類かの薬味と濃い汁が特長。段ごとに薬味に変えて食うのだそうで、蕎麦の蕎麦らしい風味を味わうのには良かったと、蕎麦っ食いの私は思ったのでした

松江城にて 出雲蕎麦

帰途。

婆ちゃんの寝顔を見てから、東京へと出立しました。深夜バスというものには初めて乗りましたよ。13時間もバスに乗るなんて考えてみたことも無かったです。海外より遠い島根県、恐るべし。
肩幅が広いせいか、シートは窮屈で、あんまり肌には合わないようでした。それでも、岡山の深夜のインターチェンジにワラワラと野良猫が集まっていることなど、深夜バスに乗らなければ知ることも無かったでしょう。

タクシーでの会話でも、道を尋ねても、バス停で話しかけられても思ったのですが、松江の人らは、割と気さくに声をかけてくれる。一言多いくらいに人懐っこいなぁと、今回の旅路では思ったのでした。

松江城の猫サムネイル

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宍道湖サムネイル

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