言問橋から向島方面へ。
私の日常の行動範囲は狭く、入谷界隈を中心に、上野・浅草・三ノ輪・日暮里くらいをウロウロしています。隅田川の向こうは「魅力的だ」と思いつつ、川を渡る機会は少なかったです。今日は日常の間隙を突いての散策。ちょっと川を渡ってみようと思いました。この方向は、自ずとスカイツリーが目標になります。
最初の発見。隅田公園 魚つり場。
隅田公園は何回か通りがかっていますが、魚釣り場があることは知りませんでした。しかも料金は30円。釣れる魚はヘラブナだそう。大人も楽しめそうですね。釣り具は持参とありましたが、すぐ傍の売店でも借りられます。隅田川でスズキやボラや鯉を釣っている人も見かけます。こんな釣り場で一日過ごせるような心のゆとりが欲しいものです。
向島の印象。
やはり隅田川の浅草側に比べると、空が広いという事でしょうか。住宅や建物が密集しているのは変わりませんが、高層の建物が少ないため、空が広く感じます。全体に古さを感じさせる街並みですが、京成曳舟駅の駅前などは新しく開発された印象がありました。向島に限らず下町に特徴的な長屋や看板建築については別に取り上げたいと思います。
小路に連なる神社。高木神社、飛木稲荷神社。
自転車でスカイツリーのふもとから曳舟川通りを行くと、小路の入り口に神社ののぼりがはためいていました。もちろん神社は大好きです。小路へと入って行きました。すると自転車の前輪の前をネズミがちょろちょろと横切りました。人が棲んでいるところならどこにいてもおかしくないのですが、久しぶりに目にしたネズミちゃん。ちょっと驚きました。
さて、自転車を進めて辿り着いたのは『高木神社』です。
境内の一部は工事中でしたが、明るく、親しみやすい雰囲気の神社です。御祭神の「高皇産靈神(タカミムスビノカミ)」の「むすび」にかけて、縁結び、おむすびといったモチーフが絵馬やお守りにも見られます。また、コミックスの『からかい上手の高木さん』とコラボしているとのことです。
お詣りを済ませて小路を進むと、間もなく再び神社らしい石塀。辿って行くと銀杏の巨木がひときわ目立つ『飛木稲荷神社』の入り口に。こちらは境内全体を銀杏の枝葉が覆い、静かな雰囲気です。
飛木稲荷神社の御祭神は宇迦神霊命(うかのみたまのみこと)。お稲荷様を祀っています。お稲荷様の好物と言えばネズミ。先ほどのネズミは、こちらから逃げ出してきたのでしょうか。神社の起源は、飛んできた銀杏の枝が大きく育つのを祀ったとも、鎌倉幕府滅亡後に移住してきた北条氏が稲荷大明神を祀ったとも言われています。そして、この銀杏の大木は、戦時中に戦火から人々を守って焼けたことから、焼け銀杏とも呼ばれています。戦後、蘇って今日のような青葉を咲かせているとのことです。
お寺さんが近隣に幾つもあるのは珍しくないですが、神社がほぼ隣り合っているのは珍しいのではないでしょうか。この路地のような小路が、以前は重要なものだったのかもしれません。
おまけ。
帰りもブラブラ回り道。『セイコーミュージアム』は、東向島駅から少し離れたところにあり、最近までその存在を知りませんでした。近く覗いてみようと思います。電車で来られる方は、東武鉄道博物館・向島百花園とセットで楽しめると思います。隅田川を渡って台東区・清川にある松吟寺「お化け地蔵」。1721年建立。関東大震災で二つに折れたという胴体に今も補修の跡が見られます。最後は浅草1丁目にある打って変わって現代的な建物ですが、正法寺という日蓮宗の寺院だそうです。毘沙門天ののぼりがなければお寺だと気付かなかったでしょう。
隅田川の向こうは、少し巡っただけけでもなかなか盛沢山でした。他にも注目している場所があるので、また散策に出かけたいと思います。